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2026.06.05

「なんとなく良い写真」から抜け出すために、撮る前に決めておくこと

撮影のご依頼をいただいたとき、私たちが最初にお聞きするのは「どんな写真がご希望ですか」ではありません。「その写真を、誰に見せますか」です。

順番が逆に思われるかもしれません。けれど写真は、見る人が決まってはじめて形が決まります。同じ社長を撮るのでも、採用サイトに載せるのか、取引先へ配る会社案内に載せるのかで、選ぶ表情も背景も明るさも変わります。先に絵柄を決めてしまうと、あとから使い道に合わせて撮り直すことになります。

決めておくと、迷いが減る3つのこと

1. 誰が見るのか

学生なのか、取引先の担当者なのか、社内の人なのか。ここが決まると、写真の「距離」が決まります。学生に向けるなら近く、対等に、少し明るく。取引先に向けるなら、もう少し引いて、落ち着いた明るさで。カメラと被写体の距離も、レンズの選び方も、ここから逆算します。

2. 何を思ってほしいのか

「話しやすそうだ」と思ってほしいのか、「任せて大丈夫そうだ」と思ってほしいのか。この2つは、写り方がまるで違います。前者なら、少し笑っていただいて、目線をこちらに。後者なら、無理に笑わず、視線を少し外していただくこともあります。どちらが良いという話ではなく、どちらを選ぶかという話です。

3. どこに載るのか

WEBサイトの横長の帯に敷くのか、A4の紙面に縦で置くのか。載る場所の形が決まっていると、その場で余白を残して撮れます。逆にここが未定のまま撮ると、あとで切ろうとしたときに、必要なところまで切り落とすことになります。

決まっていないときは、決めるところから

とはいえ、ここまで決まっている状態でご相談いただくことのほうが少ないと思います。それで構いません。むしろ、決まっていないことが分かっている状態が、いちばん進めやすい入口です。

私たちは打ち合わせの時間を、絵柄の相談ではなく、この3つを一緒に決める時間に使います。ここが決まってしまえば、あとの判断——レンズ、光の当て方、服装、背景、枚数——はほとんど自動的に決まっていきます。当日の判断が速くなり、撮り直しも減ります。

写真は、撮る前がいちばん大事です。シャッターを切る時間より、その手前で何を決めたかが、写真の効き方を決めています。

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