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2026.06.19

ビジネスポートレートで、表情より先に決めていること

ビジネスポートレート——社長や社員の方お一人を撮る写真です。名刺、会社案内、WEBサイトの「代表挨拶」、採用ページ、登壇資料。使いどころの多い一枚です。

撮影当日、いちばん気にされるのは表情だと思います。うまく笑えるだろうか、緊張して顔がこわばらないだろうか。ただ、私たちが表情より先に決めているものが3つあります。

服装

先に決めるのは、ジャケットを着るかどうかではなく、その写真がどこに並ぶかです。役員の方が横一列に並ぶページなら、全員の襟の形と色味を揃えたほうが、ページとして落ち着きます。逆に採用ページで現場の雰囲気を伝えたいなら、普段の作業着のほうが伝わります。

柄の細かいシャツやネクタイは、WEBで小さく表示したときに滲んで見えることがあります。当日の持ち物として、無地に近いものを一着ご用意いただくようお願いすることが多いのは、そのためです。

背景

背景は「何を写すか」ではなく「何を写さないか」で決めます。人物の後ろに要素が多いと、見る人の視線がそちらに引かれます。会社の雰囲気を伝えたいときは、あえて実際の執務室で撮り、背景をぼかして気配だけ残します。人物そのものを見せたいときは、スタジオの白い背景で余計なものを消します。

どちらにするかは、その写真が何と一緒に置かれるかで決まります。文章が長いページなら、背景は静かなほうが読み手が疲れません。

切り取る余白

これがいちばん見落とされやすいところです。名刺は縦、WEBのヘッダーは横長、SNSのプロフィールは正方形。同じ一枚を使い回そうとすると、どこかで頭か肩が切れます。

そこで、使う予定のある形をあらかじめ伺って、上下左右に切りしろを残した状態で撮っておきます。撮影のときに数センチ引いておくだけで、あとから縦にも横にも正方形にも切り出せます。この一手間があるかないかで、一年後にもう一度撮るかどうかが変わります。

表情は、最後に整う

この3つが決まっていると、当日の撮影で私たちが考えることが減ります。考えることが減ると、その分だけ被写体の方と話す時間が増えます。

表情は、指示して作るものではなく、話しているうちに出てくるものです。「笑ってください」と言われて浮かべる笑顔と、話の途中でふと緩んだ顔は、写真になったときに別のものになります。段取りを先に固めておくのは、その時間をつくるためでもあります。

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