会社案内に使った写真を、そのままWEBサイトにも載せる。よくあることですし、揃っているほうが良いはずです。それなのに、並べてみると印象が違って見えることがあります。
写真が悪いわけでも、デザインが悪いわけでもありません。紙と画面で、写真の置かれ方が違うからです。
画面は、形が動く
紙は判型が決まっています。A4なら、誰が見てもA4です。写真の位置も大きさも、刷った瞬間に固定されます。
WEBは違います。同じページでも、パソコンでは横長の帯として、スマートフォンではほぼ正方形として表示されます。つまり同じ写真が、見る人の端末によって別々に切り取られます。紙で完璧に決めた構図が、スマートフォンでは端が落ちて、真ん中だけが残ります。
人物が右端に立っている写真は、紙面では余白が効いて美しく見えても、画面では本人が切れて消えることがあります。
紙は、隣に何があるかで決まる
もう一つは、周りとの関係です。紙面では写真の隣に文字が組まれ、見開きで向かいのページと対になります。その関係の中で、写真の明るさが決まります。
画面では、同じ写真の上に文字が重なることがあります。重ねるなら、文字が乗るあたりを少し暗くしておく必要があります。紙のために整えた明るさのまま持ってくると、文字が読めなくなります。逆に画面のために暗くした写真をそのまま印刷すると、沈んで見えます。
撮る前に、両方を想定しておく
ずれを小さくするいちばん確実な方法は、撮影の時点で両方の使い道を知っておくことです。
紙にも画面にも使うと分かっていれば、被写体の周りに切りしろを残して撮ります。文字を重ねる予定があれば、その位置に模様の少ない面をつくっておきます。撮影のときに数秒考えるだけで、あとから写真を探し直す必要がなくなります。
当社が撮影から設計まで一社で通しているのは、この前提を最初から共有しておくためです。写真の切り方も、余白の取り方も、同じ机の上で決められます。媒体をまたいでも、伝わる印象が揃います。